旅行に行きたくなった場合にまず考えるのは、お金と時間、そして体調です。それらが全て良好であると判断すると、私は旅に出かけます。私の旅行は、ほとんどがひとり旅です。国内ではひとりでバス旅行にも参加します。先日スーパーで応募して当選したエントランス日帰り旅行の参加者は年配の女性2名が多かったのですが、おひとりさまで参加している方も多く、食事の際もおひとりさま同士でテーブルに集めてくれるので、少し会話などもできて楽しかったです。
海外ではヨーロッパが好きなため、最近ではそちらが中心です。主に回る国は、ドイツ、スペイン、ポルトガルあたりです。余裕があればイタリアにも行きます。日本からヨーロッパまではもちろん飛行機ですが、現地では電車の移動が中心になります。事前に回る国を決めておいて鉄道パスを購入し、特急や夜行を乗り継いで鉄道の旅をしています。夏の終わりや秋に、長時間電車に揺られながらひとりきりでいることが、好きなのかもしれません。
ドイツでは屋台や肉屋の店先でパンに挟まれたソーセージを買って食べ、スペインでは賑やかそうなレストランに入って肉料理を食べたり、スーパーで地元のお菓子を買って食べたりします。ポルトガルでは、宿泊した宿のご主人におすすめのお店を聞いてイワシ食べに行き、レストラン付きの宿であればそこでそのまま食事も済ませていました。もちろん、始めて入るお店は情報を調べ、可能な限り安全を確認します。観光もします。主に史跡や美術館巡りが中心です。ポルトガルで古い教会を観に行くこともありますし、スペインのマドリッドではプラドやソフィア美術館を訪れます。余裕があってイタリアに行った場合は、大喜びで美術館を回ります。
初めて行く町で一番楽しいのは、やはり宿泊する宿探しでしょう。ガイドブックやネットを調べて何件かの宿に目星を付け、現地に到着してから見て回るのです。日本語はまず通じませんし、田舎に行けば英語もあまり通じません。ポルトガルの北の田舎町に電車で向かったときは、気が付けば車内のアジア人は私だけ、という状態でした。
途中で止まる無人駅は、日本の無人駅よろしく駅舎というものすらなく周囲は一面の花畑。ここで降りてみようかと一瞬心が動きましたが、降りたら何だか帰って来られなくなる気がして車内に留まっていました。そうして付いた目的の田舎町で宿を探したのですが、やはりボディ・ランゲージだよりです。
頭の横に両手を合わせてお休みのポーズ、人差し指を立てて一泊お願いします。そして値段を聞く・・・ニコニコ笑いながら応対してもらったのを見て、ああ、いい宿を見つけたとこちらも大喜びしたことを覚えています。著名な観光地でなければ、このように現地に行ってたまたま見つけた宿に泊る、交渉する、と言ったことが出来ます。旅行における、私の密かな楽しみです。
最も恐ろしかったのは、ポルトガルでのことです。この町には丘の上に古い教会があり、それが観光名所にもなっています。建物自体も歴史あるものですし、丘から見渡す町の風景が素晴らしい、と聞いていました。私もせっかくここまで来たのだから見てみる気になり、丘を登っていきました。
あいにくの曇天でしたが、上まで行けば霧くらいは晴れてくれるだろう、と楽観視していたのです。しかし見る見るうちに霧は濃くなり、せっかく丘まで登っても分厚い霧が広がるだけでした。教会を見学させていただき、さて歩いて降りようかと思ったときです。ポルトガル人だと思うのですが、若いカップルが「降りるのなら車に乗せてあげるよ」と言ってきたのです。
「ありがとう」と言って車に乗せてもらった直後、あまりにも自分が迂闊であったことに気が付きました。もしこのカップルが悪意を持っていたら自分はどうなるのだろう?そもそも、無事に宿まで帰れるのだろうかと、車に乗っている間緊張のし通しでした。幸いにもカップルは純粋に善意の人たちで、私は町まで車で帰ることが出来ましたが、今後はこんな不注意なことはしないと、固く決意しました。
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ニュージーランドのオークランドに行きました。当時大学生でしたので、人生経験と英語力の向上などを目的として、2004年の10月頃に行ってきました。人に頼らないで頑張ってみようと思い、初めての一人での海外旅行でした。京成ライナーを使って成田空港に行き、そこから韓国のインチョンを経由して合計10時間以上かかる飛行機移動でした。南半球ですので、日本の秋はつまりあちらの春ということで、肌寒い季節でした。
オークランドのタワーを含めた市内の観光をしました。そのほかにオプショナルツアーとして、ロトルアというところに行きました。そこには温泉や原住民の踊りのショー、そして川下りのラフティングも体験しました。温泉は日本でイメージするようなものとはかなり異なるためちょっと拍子抜けしました。水着も必要ですし、あまり熱くないですので。ラフティングは十分安全に配慮されているうえに、一部少しだけ流れの速いところもあって、程よくエキサイティングな体験ができました。
さらにロード・オブ・ザ・キングのロケ地が道中にあり、そこも訪れて小人用の小さな家なども見学することができました。自分が見た映画のロケ地を見られて興奮しました。料理は全般として日本人の口に合っているように感じました。全般として肉が多いように思いましたが、ほとんどがオーストラリアから輸入されているためと思います。ひとりですし食べることにそれほどこだわりはないので、コンビニでまわりの現地の方が買っている人気そうなサンドイッチや飲み物を試しに買って部屋で食べたりもしました。
初めて英語で字幕なしの映画を見たのは面白かったです。500円ほどでしたか、日本の映画館に比べると安かったので映画を試しに見てみました。それまでもDVDで映画を見たときに字幕を時々消してみたことがありましたが、巻き戻したり見直すこともできるので、その点で逃げ道のない映画館での体験は自分にとって新鮮でした。
当時上映されていたものを2本見たのですが、言っていることが分からなくてもアクションだけでなんとなく内容が分かったのですが、もしかして自分の英語力が少し上がったのではないかと思って気分がよくなったのを覚えています。それから映画は(洋画)字幕を付けずに見るようになりました。
元々ドライビングが大好きでしたので、機会があれば日本でもよく運転していたのですが、オプショナルツアーに参加した時はレンタカーを借りて海外で初めて運転しました。最近日本でも話題になるラウンド・アバウトなど日本とは異なるルールもありますが、同じ右側通行ですし、踏切で一時停止しなくてよいことなど、日本で常識と思っていたものが世界では違うということを実感できてとても楽しめました。
当時まだ田舎から出てきたばかりの学生でしたので、世間を知らなすぎでした。ニュージーランドに地下鉄なんてあったのかなと思いつつ、市街地でSUBWAYを見つけて入ってみました。それがファーストフード店だとも知らずに。日本にも当時すでに上陸していたのかもしれませんが、知らなかったものですから少し慌てました。しかも注文時に一つ一つ入れるか聞かれるので、ひたすらYesと答え続け、ドレッシングは人気のものをと注文しました。巨大でしたがとてもおいしかったですし、店の名前も二度と忘れなくなりました。
さらにターキッシュ・ケバブというものも初めて食べました。メニューを見て、ターキッシュというのはターキーという鳥のことだと思って注文したのです。しかしどうも食べてみると鳥っぽくありませんでした。そこで辞書を開いてようやく勘違いに気づいたのでした。私の勘違いは誰にもばれていないと思いますが、心の中で恥ずかしい思いをしたのを覚えています。
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2018年の夏に1人でイギリス、フランス、イタリア、ヴァチカンの3カ国へ旅行に行きました。訪れた都市はロンドン、カンタベリー、パリ、ヴェネチア、ローマ、ヴァチカン、ナポリです。8月?9月の間、約3週間の周遊旅行でした。訪れた目的は観光です。日本からロンドン、パリからヴェネチア、ローマから日本への移動は飛行機を使いました。その他の移動は電車、国鉄やユーロスターなどの鉄道を利用しました。ヴェネチアの空港から島へは当然船です。
1人で全てを計画したので、旅行会社のツアー等には参加しませんでしたが、旅行中の観劇やガイドツアーは現地で予約したものです。ロンドン・ソーホーの劇場で『レ・ミゼラブル』を見ました。英語での演目でもちろん字幕も通訳もありませんが、ミュージカルの本場であるウェストエンドで観劇できたのは素晴らしい体験です。
ヴァチカンではサン・ピエトロ大聖堂、ヴァチカン美術館とシスティーナ礼拝堂を巡るガイド付きのツアーに参加しました。ツアー料金はそれなりに高価でしたが、ヴァチカンの歴史や美術品などを認定ガイドが紹介してくれたので知らずに見るより楽しめたと思います。システィーナ礼拝堂の中は撮影禁止なので実際に訪れて自分の目で見ることに意味があると強く感じました。
2018年のことで、パリのノートルダム大聖堂はまだ健在でした。最寄駅の外で道を探していた時、フランス人の老紳士が英語で、なにかお困りか?と尋ねてきました。フランスは英語の看板が少なく、わたしはフランス語がわからないのでその老紳士にノートルダム大聖堂へ向かいたいのだと伝え、道を教えてもらうことにしました。すると老紳士は散歩の途中だから、と言って案内するよと提案してくれたのです。旅先で知らない人についていくのは危ないかも、と思いつつ良い人そうだし…とついて行くことにしました。
老紳士は道中、パリについていろんなことを教えてくれて、ノートルダムの向こう岸にある教会など、観光客のわたしが喜びそうなところに連れて行ってくれました。大聖堂に行く前、老紳士のお気に入りだと言う二階の窓から大聖堂が見えるというカフェに入って、一杯飲もうということになりました。
2階に向かうとその窓際で日本人の女性とフランス人の男性が座っていました。話しかけてみると女性はパリが好きで毎年定期的に訪れてはアパルトマンを借りて何ヶ月か住んでいるそうでした。その日は話が弾んで、結局4人でシャンパンを飲んだのが楽しかった思い出です。
ロンドン滞在中では食事に困りました。「イギリスの飯はまずい」というのはいろんなところで言われていることですが、正直まずいというわけではないです。しかし美味しいか、と聞かれれば首を横に振るしかありません。その上物価がかなり高いので、微妙な食事に高額を出し続ける状況がしばらく続いたのは精神衛生上良くなかったです。
ロンドンからパリに向かう時にユーロスターという英仏海峡を越える電車に乗ったのですが、出入国ということで荷物検査があり、出発の30分前にはゲートを通る必要があります。そのことはチケットに書いてありますが、見落としていたので、駅で昼ごはんを食べている間に入場時間を逃し予約したチケットは無駄になりました。
さらに運が悪いことに、チケットを再購入しようというタイミングでクレジットカードを紛失したことに気づき、カウンターで大慌てです。出国直前だったのでポンドを全て使い果たしてしまったわたしを助けてくれたのは隣のカウンターにいた日本人の男性でした。車椅子の彼は1人で世界を巡る旅の途中でした。おかげで無事パリに向かうことができ、彼もパリに行くところだったので着いてからお礼をしました。
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15年前の1月上旬、女1人でスペインのバルセロナとセビリアに行きました。その頃は、スペインへの直行便はなかったため、往復パリ乗り継ぎでした。目的は、バルセロナでガウディの建築やピカソ美術館を見に行ったり、セビリアでフラメンコを見ることなどで、パエリアも食べてみたいと思っていました。
しかし、スペインは治安が悪いと聞いていたので、もともとは行くことを躊躇していたのですが、前年に行った台北旅行で、既にスペインに行きたいと思っていたためか、「西班牙」(漢字で「スペイン」という意味)という垂れ幕やスペインミュージシャンのCDなどを発見し、スペインに呼ばれている気がして、旅に出ました。
バルセロナで観光した場所は、ガウディ建築のカサ・ミラ、サグラダ・ファミリア、グエル公園とモンタネール建築のサン・パウ病院とカタルーニャ音楽堂。他に、ピカソ美術館とゴシック地区、ミロ美術館、モンセラット修道院、カンペールのショップなどに行きました。セビリアでは、サンタクルス街、ロス・ガジョス(フラメンコ)、マエストランサ闘牛場、スペイン広場などに行きました。「カルメン」の舞台のたばこ工場やカテドラル、アルカサルは外から見ただけです。
オプショナルツアーには参加せず、すべて1人で見て回りました。食事は基本的には1人で、カタルーニャ音楽堂のカフェでタパスを食べたり、クアトラ・ガッツというピカソが通っていたカフェでお茶したりしました。モンセラット修道院のカフェテリアにも行きました。1度だけ数人で食事した時は、パエリアやサングリアを食べました。
一番面白かったのは、セビリアにいた1月5日の夜と1月6日の午前中に、東方の三博士のパレードが行われて、パレードの山車から飴がばらまかれたことです。地元の人々が、ビニール袋や傘の裏側を広げ、大量の飴をゲットしていました。わたしも、ちゃっかり参加させてもらいました。
1月6日の午前中のパレードでは、サッカーボールなども投げられていて、獲ったおじさんが、近くにいた子供にボールをあげていました。バルセロナの駅では、キリストやロバなどに仮装した人々の記念撮影もできました。おそらく、このようなイベントがあることを知らずに行ったので、より楽しめたのかもしれません。スペインでは、1月6日までがクリスマスのようで、1月5日にもクリスマスツリーが飾られていて、クリスマスマーケットも開催されていました。
バルセロナは町で売っている鳥かごや貼られているポスター、グラフティアートなどがカラフルで、刺激に満ちていました。セビリアでは、スペイン広場をたまたま発見し、アズレージョの美しさに感動しました。カタルーニャ音楽堂で聴いたシャンパンポルカでは、本当にシャンパンが「ポン」と抜かれ、粋な演出だと思いました。
意外と怖かったことはなかったのですが、カタルーニャ音楽堂で夜音楽を聴き、0時頃に歩いてホテルまで帰る時(ホテルまで2駅ほどだったため)、目つきの悪そうな男性が数人通りに立っていたのが気になりました。しかし、いかにも悪そうな人というのは見ればわかったので、そういう人に注意すれば大丈夫だと思います。もちろんかばんを斜めがけし、チャックは手で押さえていました。人通りの多い通りをなるべく歩くようにもしていました。
この時の旅では飛行機に2回も乗り遅れ、チケット買い直しになりました。セビリアに行く時は、駅で空港までの行き方を聞いたはずなのに間違え、乗り遅れました。バルセロナからパリに行く時は、2時間前くらいに到着したのに、買い物が楽し過ぎ、時計を持ってなかったため、乗れませんでした。
困ったことは、行きのパリの空港で自動ドアが開かず、他のターミナル行きのバスも遅れ、飛行機に乗り遅れたことです。後の便に変えてもらいましたが、スーツケースは翌日の午後2時近くに届きました。スペインは午前が午後2時までらしいです。寒かったのでスタバのトイレを借りたら、鍵がかかっていて便座なしで困りました。
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大学に入ったはじめての春休みにニュージーランドに行きました。以前ホームステイをした事があり、その当時のホストファミリーに再会するために、それまでにアルバイトでコツコツと貯めたお金を使って1人で飛行機を乗り継いで行きました。初めての海外1人旅で、飛行機の乗り継ぎも始めてで不安だったので行き方を入念に調べました。困った時や緊急時に備え、自分で対処できる術を用意していきました。期間はおおよそ1週間くらいだったと思います。
自分で交通手段を用意して、飛行機を乗り継ぎ、滞在はホストファミリー宅になりました。ホストマザーが小学校の先生をしており、彼女のクラスメートと一緒に遊んだり、ちょっとした日本語を話して「日本語はこんな音」という感じで日本の事を少しだけ知ってもらったりする時間も持ったりしてふれあいを持ちました。
食事はホストマザーが用意してくれるものが中心でした。ただ彼女はお肉が苦手だったので比較的野菜中心な食生活でした。それでもときどきソーセージを出してくれたり優しかったです。ホストマザーの作る料理の中でアップルクランブルというデザートが特に美味しく、何度も作ってもらいました。アップルクランブルとはりんごとオートミールをシナモンで煮た温かいデザートです。あまりにも美味しかったのでレシピを書いてもらいました。
目的となるニュージーランドに行くための資金を貯めるところから楽しめて行えました。必ずまた再会するために行きたいと強く思っていたので、アルバイト代をコツコツ貯める事がとても楽しかったです。あといくら貯まればチケットが購入できると思うだけで、疲れていてもワクワク感がありました。また初めて海外に一人で飛行機を乗り継いでいくことについても、不安やドキドキと言ったいろいろな感情を抱きつつ、再会を果たすために1人で冒険をしているようで楽しかったです。
実際に現地に無事に到着できた時は嬉しかったですし、空港に迎えに来てくれていたホストファミリーと会えたときは涙が出るくらい会えて嬉しかったです。ハグとキスをして再会を喜びました。そのまま車に乗せてもらい、娘さんの祖父母にあたる人たちの自宅に向かうことになりました。
そしてその夜は私の歓迎会をしていただきました。昔はこんな事をした、ここに行った、という懐かしい話をしながら食事をしました。また自分自身の近況を伝えたりもしました。まるで本当の子供のように可愛がってくれる事が嬉しかったです。
初めて1人で海外にいくという自分自身の中ではかなり思い切った冒険でした。当時は飛行機の乗り方さえも覚えたてでした。途中、飛行機を乗り換える必要があったのですが、乗り換え自体も私にとっては初めてのことでした。旅行準備の中でどこのターミナルから出発してどこで荷物を預けて、というシミュレーションを何度もしました。
到着してみると正しく預けた私のスーツケースは到着地で出てきませんでした。とても焦りました。とういう状況なのかを確認すると、私は正しく荷物を預けられたのですが、航空会社の手違いで違う飛行機に積み込まれてしまったようでした。いくら荷物のターンテーブルのところで待っていても自分のスーツケースが戻ってこないわけです。
そしてさらに確認すると私の荷物が手元に到着するにはそこから2、3時間ほど時間を要するということでした。驚いたことにこれが日本なら謝罪の一言があるのでしょうが、海外だと違うようで、「私が間違えたわけではなから」といわんばかりな様子で謝罪されることはありませんでした。それはどうでも良いことでしたが、また再び空港に戻って荷物を受け取ることになりました。このような事は初めてでしたので、ヒヤッとした経験でした。
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